2024.01.25
重要な意味を持つ ”ポリープ切除”
健康は365日のつみかさね
消化器内科より
まほろば 2019年10月号掲載
重要な意味を持つ
『 ポリープ切除 』
大腸の壁はいくつかの層が重なって形成されており、その最も内側は「粘膜」で覆われています。大腸がんは、この粘膜部分から発生するがんです。はじめは一部の正常な粘膜細胞が発がん物質など何らかの影響を受けてがん細胞となり、時間の経過とともにがん細胞が増加します。そして、がん細胞が何兆という数に達すると「大腸がん」として内視鏡を通じて認識できるようになります。現在、大腸がんの発生過程には2つの経路があると考えられています。
①ポリープと呼ばれる良性腫瘍の一種 から悪性化するがん
②正常細胞がいきなりがん細胞に変化して急速に進行するポリープと関係のないがん
この内、大腸がんの多くはポリープの一種から発生する①のタイプと考えられています。
上記の要因から、多くの大腸がんはポリープを経てがん化することが根拠づけられているため、内視鏡検査で発見されたポリープは切除することを勧められます。すなわち、ポリープを切除することは、大腸がんの発生を予防する一定の効果があるということになります。
ポリペクトミーとEMR
ポリープの切除は、茎をもったポリープを切除するポリペクトミーと、茎をもたない平らなポリープを切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)があります。これらの切除は基本的に外来処置(入院を必要としない)となりますが、ポリープの大きさや数によっては後日入院のうえあらためて処置をする場合もあります。
早期の大腸がんは症状があらわれにくく、自覚症状がある場合は病状がかなり進行している可能性があります。自覚症状がなくても定期的に健診を受けることそして、精密検査が必要な場合には積極的に大腸内視鏡検査を受け大腸がんを早期に発見することが大切です。
気になる症状がある場合は消化器内科までご相談ください。