2023.08.15
大腸がんの初期症状は??
健康は365日のつみかさね
消化器内科より
まほろば 2019年7月号掲載
大腸がんの初期段階は
『 自覚症状なし 』
大腸がんは初期段階では自覚症状がみられないことが多く、異常を感じていない段階でも定期健診などで発見されることが少なくありません。一方、大腸がんが進行すると、「便に暗赤色の血が混じったり、血の塊が出たりする血便」、「便が細くなる便柱細少」、「便が出きらない感じがつきまとう残便感」、「下痢と便秘の繰り返しなど、排便に関する症状」などがみられるようになります。さらには「腸閉塞による嘔吐」、「しこりが触れる」、「腹痛」、「肝臓や肺の腫瘤(しゅりゅう)」などがんがかなり進行、もしくは転移することによる症状があって初めて異常に気づくこともあります。
これらの症状は大腸がんに特徴的なものではなく、他の疾患でもみられる症状です。とくに血便には注意が必要です。血便は痔にもみられる症状であるため、痔と思い込んで発見が遅れ、大腸がんが進行してしまうことがあります。大腸がんは中心部分が潰瘍(かいよう)化すると出血しやすくなるといわれています。血便は大腸がんにもよくみられる症状なので、症状がある場合には専門医に受診し精密検査を受けることをお勧めします。
がんの部位によっては、
便の異常があらわれにくい
血便・便柱細少・下痢と便秘の繰り返しなどの症状は下行結腸・S状結腸・直腸にできたがんに多い傾向があります。一方、盲腸や上行結腸・横行結腸などの肛門から離れた部位のがんでは、出血しても気づかない場合も多く、便に関する異常が出にくい場合があります。そのため、「慢性的な出血による貧血」、「お腹が鳴る腹鳴」、「腹部の膨満感」、「痛みを伴うしこり」など便以外の症状から気づくこともあります。この様な症状がある場合には、速やかに精密検査を受けましょう。
盲腸・上行結腸・横行結腸 におこりやすい主な症状
下行結腸・S状結腸・直腸 におこりやすい主な症状
早期の大腸がんは症状があらわれにくく、自覚症状がある場合は病状がかなり進行している可能性があります。自覚症状がなくても定期的に健診を受けることそして、精密検査が必要な場合には積極的に大腸内視鏡検査を受け大腸がんを早期に発見することが大切です。
気になる症状がある場合は消化器内科までご相談ください。