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2023.08.24

水分補給のポイント -前編ー


健康は365日のつみかさね
栄養科より
2023年の夏を乗り切る


たかが水分、されど水分


 お盆が過ぎたとはいえ、今年は特に暑さが厳しい日々が続いています。まだまだ熱中症への対策が必要です。熱中症予防と言えば、多くの人が最初に思い浮かべるのは『水分補給』かもしれませんね。でも、水分補給と一口に言っても、実際にどのように行ったら良いのか戸惑うこともあります。その中には、実は正しいとは言えない水分補給方法も存在するかもしれません。だからこそ、適切な水分補給の方法を知っておくことが大切です。みなさんの参考にしていただければ幸いです。


人間の身体の水分量とその重要性


 人間の体は約60%が水分でできています。このことから、私たちの体が水分にどれほど依存しているかがわかります。水分は体温調節や栄養の運搬、代謝の調節など、さまざまな重要な役割を果たしています。暑い季節には、汗をかくことで多くの水分を失い、その分だけしっかりと水分補給する必要があります。
 高齢者は年齢を重ねるにつれて、筋肉量の減少や腎機能の低下により体内の水分量が成人に比べて約10%程度少なくなるため、特に注意が必要です。

体液の役割と水分補給の必要性


体内での水分は、血液やリンパ液などの体液中に含まれており、これらの体液は栄養素や酸素を運ぶ役割を果たしています。また、水分は体温を調節するために汗として放出され、熱を逃がす役割も担っています。したがって、適切な水分補給がないと、これらの機能が十分に発揮されず、体調不良や健康リスクが高まる可能性があります。

水分不足と熱中症の関係


体内の水分が減少すると、熱中症のリスクが増大します。体内の水分がどれくらい減少すれば熱中症の症状が出るのでしょうか。




1〜2%減少:この程度の水分不足では、喉の渇きや微細な倦怠感が現れることがあります。しかし、多くの人がこれを無視してしまうこともあります。
3〜5%減少:この段階では体温調節が乱れ、運動能力や集中力が低下します。めまいや頭痛も現れる可能性があります。
6~9%減少:体内の水分が6%以上減少すると、顕著な熱中症の症状が現れる可能性があります。激しい頭痛、嘔吐、意識の混濁、血圧の低下などが生じることがあります。
10%以上減少:さらに水分が10%以上減少すると、けいれんや失神が生じます。また血液の循環不全、腎機能の低下なども引き起こし、水分量が20%以上減少すると命の危険を伴います。


 暑い季節には、こまめな水分補給が熱中症予防の鍵です。体内の水分は私たちの健康と日常生活に欠かせない要素であり、適切な水分バランスを保つことが重要です。軽度の水分不足からも熱中症のリスクは始まることを忘れず、積極的に水分を摂る習慣を身につけましょう。健康で快適な夏を過ごすために、水分補給を怠らないよう心がけましょう。
後編はこちら:水分補給のポイント ~後編~


診察時間外や夜間などに熱中症の症状がある場合は、救急要請をするか当院へご相談ください。

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