急に太った(体重増加)

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急に太った(体重増加)

体重が増加する基本的なメカニズムは、摂取エネルギー(食事など)と消費エネルギー(基礎代謝や運動など)のバランスの変化によって決まります。一般的に、摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余ったエネルギーは脂肪として体に蓄積され、体重が増加します。
最も多い原因は、やはり「食べすぎ(過剰なカロリー摂取)」です。無意識のうちに食事の量が増えていたり、高カロリーな食事が続いたりすると、気づかないうちに体重が増えてしまうことがあります。また、運動不足によって消費エネルギーが減ることも、体重増加を加速させる要因になります。
しかし、「そんなに食べていないのに体重が増えている」「生活習慣は変わっていないのに急に太った」という場合、単なる食べすぎとは別の原因が関与している可能性があります。体内の水分の貯留やホルモンバランスの乱れ、特定の病気、薬の影響など、さまざまな要因が隠れていることも。
「食べすぎや運動不足では説明がつかない…」と感じる方は、以下の内容を参考にし、適切な対策を考えてみましょう。

急な体重増加の主な原因

意図しない体重増加には、以下のような原因が考えられます。

 
  • 生活習慣の変化
    ストレスや睡眠不足は、ホルモンバランスを乱し、食欲を増加させることで体重増加につながることがあります。
    運動不足により筋肉量が低下すると、基礎代謝が落ち、消費エネルギーが減るため体重が増えやすくなります。
    また、無意識の食べ過ぎや塩分・糖分の多い食事が続くと、摂取カロリーが増え、脂肪が蓄積されやすくなります。
  • ホルモンバランスの乱れ
    ホルモンの異常によって代謝が低下し、脂肪の蓄積が促進されることがあります。
  • 薬の影響
    ステロイドや抗うつ薬・抗精神病薬、糖尿病治療薬など、特定の薬剤が体重増加の原因となることがあります。
  • 疾患によるもの
    心不全や腎不全、肝硬変など、原因は異なるが体内に水分が溜まることで体重が増加します。

高齢者の体重増加は様々なリスクを伴う

高齢者では、体の機能が加齢とともに変化するため、意図しない体重増加が起こりやすくなります。 その背景には、代謝の低下、運動不足、ホルモンの変化、薬の影響 などが関与しています。特に、むくみ(浮腫)や腹水による体重増加は、高齢者でよくみられるため注意が必要です。

体重減少で疑われる主な病気

心不全 心臓のポンプ機能が低下すると、血液の流れが滞り、体内に余分な水分が溜まり、むくみ(浮腫)として現れます。特に足やすねのむくみが目立ち、体重が急に増えることがあります。
特徴としては、息切れや動悸、疲れやすさを伴うことが多いです。
腎不全 腎臓の機能が低下すると、尿として排出されるべき水分や老廃物が体内に蓄積し、むくみや体重増加につながります。 特徴しては、顔や手足のむくみ、尿量の減少、高血圧を伴うことがあります。
肝硬変 肝臓が正常に働かなくなると、血液中のアルブミン(タンパク質)が低下し、血管内の水分が腹腔内に漏れ出します(腹水)。これにより、体重が増加し、お腹に異常に膨らみが見られます。 特徴としては、皮膚の黄ばみ(黄疸)、倦怠感、食欲不振を伴うことが多いです。
甲状腺機能低下症 甲状腺ホルモンが不足すると、基礎代謝が低下し、エネルギー消費が減るため、脂肪が蓄積しやすくなります。 特徴としては、手足の冷え、倦怠感、むくみ、便秘、動作の遅れがみられることがあります。
クッシング症候群 副腎が過剰にステロイドホルモンを分泌することで、脂肪が異常に沈着し、特に顔(満月様顔貌)やお腹、背中に脂肪がつきます。 特徴としては、皮膚が薄くなりやすく、傷が治りにくい。血圧上昇や糖尿病を合併することもあります。
更年期障害 女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、代謝が落ち、脂肪がつきやすくなる。特に内臓脂肪の蓄積が進み、ウエスト周りの体重増加が目立つことが多いです。 特徴としては、のぼせやほてり(ホットフラッシュ)、気分の落ち込み、不眠などを伴うことがあります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) ホルモンバランスの乱れによって、インスリンの働きが悪くなり、脂肪が蓄積しやすくなります。特に腹部の体重増加が目立つことがあります。 特徴としては、月経不順やニキビ、体毛の増加などがみられることがあります。

次のような場合は医療機関を受診をしましょう

  • 意図せず、短期間で体重増加がある
  • むくみ(特に足や顔)、息苦しさ、疲れやすさがある
  • 食欲は変わらないのに体重が増えている
  • 手足が冷える、動作が遅くなった(甲状腺機能低下症の可能性)
  • お腹だけが急に大きくなった(腹水の可能性)
  • 特定の薬を飲み始めてから体重が急増した

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