むくみ

ホーム > 診療のご案内 > 気になる症状や痛みを調べる > むくみ

むくみ

むくみ(浮腫)とは、皮膚の下にある皮下組織の部分に余分な水分がたまっている状態です。正常な状態では、血液中の水分は血管内と血管外の間でバランスよく分布しています。しかし、このバランスが崩れると水分が皮下組織の部分に溜まり、むくみが発生します。 むくみの原因は数多くあります。まずは一過性のものであるか、病気によるものか。病気が疑われる場合は、むくみが身体の両側にあるか、片側のみかによって異なります。
むくみは一過性の心配の無いむくみもありますが、なかには重大な疾患が原因となって起こる場合もあります。

むくみの原因はさまざま

むくみが起こる原因は多岐にわたり、一過性のものから慢性的なものまで様々です。ここでは、一過性の原因も含めたむくみの主な原因を詳しく解説します。

■ 一過性のもの

 
  • 体位の影響
    長時間同じ姿勢(例えば、長時間の座り仕事や立ち仕事、長時間の飛行や車での移動)で過ごすと、重力の影響で血液やリンパの流れが悪くなり、特に下肢にむくみが起こりやすくなります。
  • 食生活
    塩分の摂り過ぎは体内に水分を留め、むくみを引き起こすことがあります。また、過剰なアルコール摂取も一時的なむくみの原因になることがあります。
  • 月経周期
    女性の場合、月経前にはホルモンバランスの変動により体が水分を保持しやすくなり、むくみが生じることがあります。
  • 気温や湿度
    高温多湿の環境は体の水分排出を妨げ、むくみを引き起こすことがあります。

■ 慢性的(病気が原因)のもの

 
  • 心臓疾患
    心臓が正常に機能せず、血液循環が悪くなると、体内の液体が滞留し、特に下肢にむくみが現れます。
  • 腎臓疾患
    腎臓が適切に機能しないと、余分な水分や塩分が体外に排出されず、むくみを引き起こします。
  • リンパ浮腫
    リンパ液の流れが妨げられると、液体が体組織に滞留し、むくみが発生します。
  • 肝臓疾患
    肝硬変などの肝臓疾患は、血液中の蛋白質の量を減少させ、体液のバランスを崩し、むくみを引き起こします。
  • 薬の副作用
    特定の薬剤(例えば、高血圧治療薬、ステロイド、非ステロイド性抗炎症薬)の副作用としてむくみが生じることがあります。

これらの原因の中には、単独でむくみを引き起こすものもあれば、複数が組み合わさって発生することもあります。むくみが頻繁に起こる場合や他の症状と併発する場合は、医師の診察を受けることが重要です。

むくみで疑われる主な病気

■ 全身性のむくみ

心不全 心臓のポンプ機能が弱まるため、血液が十分に体中に循環しなくなる状態。これにより、体内に液体が溜まり、特に足や腹部にむくみが生じる。息切れ、疲労感、活動耐容量の低下も典型的な症状。むくみは心不全の進行を示唆する重要な兆候の一つです。
腎不全 腎臓の機能が衰え、余分な水分や廃棄物を効果的に排出できなくなる状態。これにより体内に水分が溜まり、特に足や顔のむくみが生じる。腎不全は尿量の変化、疲労感、かゆみなど他の症状も引き起こします。
ネフローゼ症候群 腎臓の細かい血管が損傷し、大量のタンパク質が尿に漏れ出る病状。これにより血液中のタンパク質量が減少し、体液のバランスが崩れることでむくみ(特に顔や足)が生じる。他にも泡立つ尿、疲労感、食欲不振などの症状を伴います。
肝硬変 肝臓の組織が繊維化し正常な機能を失う慢性的な状態。これにより血液循環が阻害され、体液が腹部(腹水)や足に溜まりむくみが生じる。肝硬変は黄疸、疲労感、出血傾向など他の症状も引き起こします。
低栄養 栄養素の摂取不足により、体の組織や機能が正常に維持されない状態。低アルブミン血症を引き起こし、これが血液中の蛋白質量の減少につながり、体液のバランスが崩れてむくみが生じることがある。

■ 局所性のむくみ

深部静脈血栓症
(エコノミークラス症候群)
主に脚の深部静脈に血栓(血液の塊)が形成される病状。これにより血液循環が妨げられ、患部に痛み、腫れ、赤み、そして特にむくみが生じる。深部静脈血栓症は血栓が肺に移動し、生命を脅かす肺塞栓症を引き起こすリスクもあります。
下肢静脈瘤 足の静脈が拡張し、血液の逆流や滞留が起こる状態。これにより、足の皮膚下で静脈がうねるように見え、足の重だるさ、痛み、そしてむくみが生じる。むくみは特に日中の活動後に顕著になることが多い。
リンパ浮腫 リンパ液の流れが阻害されることで、リンパ液が組織間に滞留し、特定の部位(腕や足)にむくみが生じる状態。皮膚が硬く感じられることがあり、感染のリスクも高まります。リンパ浮腫は、遺伝的要因(一次性)によるものと、手術や放射線治療の後に発生する(二次性)ものがあります。
蜂窩織炎 皮膚とその下の組織に生じる重度の感染症。感染部位が赤く腫れ、熱を持ち、むくみを引き起こすことがある。蜂窩織炎は強い痛みや発熱を伴い、時には全身の症状が現れることもある。むくみは感染部位の炎症反応によるもので、迅速な抗生物質治療が必要な状態です。

次のような場合は医療機関を受診をしましょう

緊急で医療機関を受診すべき場合

  • 急激な呼吸困難:心臓や肺に関連する重大な問題の可能性がある。
  • 片方の脚だけにむくみ:深部静脈血栓症の可能性があり、放置すると肺塞栓症を引き起こす危険がある。
  • 胸痛や胸の圧迫感:心臓発作の可能性があり、緊急の医療介入が必要。
  • 意識の混濁や言語の障害:脳血管の問題や他の重大な健康問題の徴候。
  • 高熱や患部の強い痛みと赤み:蜂窩織炎などの重度の感染症の可能性。

緊急ではないが早めに医療機関を受診すべき場合

  • むくみが持続するまたは徐々に悪化する:慢性的な疾患の可能性。
  • 夜間の頻繁な尿意や息切れ:心不全や腎不全などの疾患を示すことがある。
  • 体重増加や食欲不振:体液の異常な蓄積や他の健康問題を示唆する可能性。
  • 妊娠中の異常なむくみ:妊娠中毒症などのリスクが考えられる。
  • 既存の健康状態(例:心臓病、腎疾患)がある場合のむくみ:既存の状態の悪化を示す可能性。

診療科のご案内

むくみのことでお悩みの方は総合診療科(救急)・内科までご相談ください。

総合診療科のご案内

内科のご案内