かゆみ

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かゆみ

かゆみは、日常生活でよく遭遇する不快な感覚ですが、時として健康上の問題を示唆することもあります。ここでは、かゆみがなぜ起こるのか、その背後にある原因、そしてかゆみが関連する可能性のある病気について解説します。

かゆみが生じる主な理由

かゆみは、私たちの身体が外部からの刺激に対して反応する一つの方法です。この感覚は、皮膚の特定の部位にある感覚受容体が何らかの形で刺激されたときに生じます。これらの受容体は、小さな神経繊維によって脳に信号を送り、そこで「かゆみ」として認識されます。しかし、かゆみを引き起こす刺激は多岐にわたり、単純な物理的な接触から複雑な内部疾患までさまざまです。

 
  • 物理的刺激
    衣服の摩擦や虫刺されなど、直接的に皮膚を刺激するもの。
  • 化学物質による刺激
    化粧品、洗剤、あるいは植物など、皮膚に接触した際に化学反応を起こし、かゆみを引き起こすもの。
  • 内臓疾患
    肝疾患や腎不全など、体内の問題が原因でかゆみを引き起こす場合。これらの状態では、体内に蓄積した毒素が皮膚に影響を与え、かゆみを引き起こすことがあります。
  • アレルギー反応
    食物、薬物、またはその他のアレルゲンに対する身体の免疫反応がかゆみを引き起こすことがあります。
  • 皮膚の乾燥
    空気が乾燥している環境や、加齢による自然な皮膚の乾燥も、かゆみの一般的な原因です。

これらの刺激や状態は、かゆみの感覚を引き起こす原因となり、時には我々の注意を必要とする身体からの重要なサインとなります。

かゆみが生じる主な理由

かゆみがどのようにして生じるかを理解するためには、末梢性かゆみ中枢性かゆみの二つのメカニズムを理解することが重要です。
末梢性かゆみは、先に述べたように皮膚やその他の組織の感覚受容体が直接刺激されることで生じます。これに対して、中枢性かゆみは、脳や脊髄といった中枢神経系の内部で信号が誤って生成されることによって生じます。これは、特定の疾患や薬剤による副作用が原因で起こることがあります。
このようにして、かゆみの原因は外部からの刺激だけでなく、身体の内部(内臓疾患)などによっても起こることがわかります。

したがって、かゆみが持続する場合や他の症状(赤み、腫れ、皮膚の変色など)が伴う場合は、その原因が内臓疾患に関連している可能性があるため、医療機関を受診することをお勧めします。

かゆみを伴う主な病気

蕁麻疹 アレルギー反応や身体の他の反応によって引き起こされる皮膚の発赤と腫れです。非常に強いかゆみを伴います。原因には、食物、薬物、感染症、ストレスなどがあります。
接触性皮膚炎 接触性皮膚炎は、特定の物質に皮膚が接触したことによって引き起こされる炎症反応です。原因物質には、ニッケルやゴム、化粧品の成分、洗剤などがあります。症状には、赤み、かゆみ、腫れ、水ぶくれが生じることがあります。
アトピー性皮膚炎 アトピー性皮膚炎は、慢性的な炎症性皮膚疾患で、特に子供に多く見られますが、成人でも症状が出ることがあります。主な症状は、皮膚の乾燥、赤み、腫れ、そして強いかゆみです。この病気は、遺伝的要因や環境要因、皮膚のバリア機能の障害などが複合的に関係して発症すると考えられています。
乾癬 皮膚細胞の過剰な成長によって特徴づけられる慢性的な自己免疫疾患です。乾癬の皮膚は、赤い斑点や銀白色の鱗屑(かさぶた)を形成し、これらの斑点はしばしばかゆみや痛みを伴います。
肝疾患 肝疾患、特に肝硬変や肝炎など、肝臓の機能が低下する病態では、体内に毒素や胆汁成分が蓄積することで全身のかゆみを引き起こすことがあります。このタイプのかゆみはしばしば全身に及びます。
腎不全 腎不全では、腎臓が血中の廃棄物を適切に処理できなくなります。これにより、尿毒症と呼ばれる状態が発生し、体内に毒素が蓄積します。これらの毒素が皮膚に影響を及ぼし、全身のかゆみを引き起こすことがあります。

次のような場合は医療機関を受診をしましょう

緊急で医療機関を受診すべき場合

  • かゆみが急激に悪化し、広範囲にわたる場合
  • 重度のかゆみに呼吸困難、喉の腫れ、顔面の腫れが伴う場合(アナフィラキシーの可能性)
  • 全身に強いかゆみがあるが、皮膚に目立った変化がなく、特に夜間に悪化する場合(内臓疾患の兆候の可能性)
  • かゆみに高熱、強い倦怠感、体の広範囲にわたる発疹が伴う場合
  • かゆみがある部位からの異常な排出物(膿など)があり、赤みや腫れがひどくなる場合(感染症の可能性)

緊急ではないが早めに医療機関を受診すべき場合

  • かゆみが数日以上続き、自宅での対処法による改善が見られない場合
  • かゆみのある部位に皮膚の変化(発疹、赤み、腫れ)が見られ、日常生活に支障をきたす場合
  • 特定の薬を服用した後にかゆみが発生した場合(薬剤反応の可能性)
  • 既存の皮膚疾患(例:アトピー性皮膚炎、乾癬)があるが、通常の治療による効果がなく、症状が悪化している場合
  • かゆみが特定の生活環境や行動に関連していると思われるが、原因が特定できず、適切な対処法がわからない場合

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かゆみのことでお悩みの方は、まずは近隣の皮膚科を受診してください。
内臓疾患に起因する場合は、内科にご相談ください。

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