発熱

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発熱

人の体温は、脳内の視床下部にある体温調節中枢によって、一定の体温に保たれています。しかし、ウイルスや細菌が体内に侵入した際は病原体の増殖を抑えるため、視床下部から発熱の指示が出されるために体温が上昇します。
また、医学的(感染症法)には体温37.5℃以上を発熱、38.0℃以上を高熱と言います。

発熱の原因

 発熱の原因のほとんどは風邪などの感染症である場合が多くなります。しかし、2週間以上にわたって発熱が続く場合は、高齢者では誤嚥性肺炎や尿路感染症などの感染症、その他は悪性腫瘍、関節リウマチや膠原病などの自己免疫疾患の可能性があります。発熱の他にどのような症状があるかも診断の上で大切ですので、受診の際にはお伝え下さい。

感染症 細菌やウイルスなどの病原体が体内に入り、全身のあらゆる場所で様々な症状を起こす病気です。一般的な風邪症候群からインフルエンザ、感染性の胃腸炎、肺炎などがあります。合併症に注意が必要な病気や早期に治療が必要な病気など様々です。(高齢者に多い感染症は後述)
自己免疫疾患 人の身体は体内に入ってきた細菌やウイルスなどの異物から身を守るための免疫機能がありますが、この免疫機能になんらかの異常が起こると無害な自分自身の体の一部を攻撃してしまう病気の総称です。臓器や関節、皮膚といった身体の様々な部位に病気を発症させます。代表的な病気に膠原病(関節リウマチなど)、潰瘍性大腸炎など国指定の難病も含まれます。症状は病気の種類によって異なりますが、免疫反応・炎症反応が続くため発熱や倦怠感、関節痛などが共通して起こります。
悪性腫瘍(がん) 悪性腫瘍が原因で起こる発熱を腫瘍熱と言います。どの悪性腫瘍においても発熱の可能性はありますが、悪性リンパ腫、腎細胞癌、肝細胞癌は発熱の頻度が高いとされます。

高齢者に多い感染症

肺炎(誤嚥性肺炎) 肺炎は肺炎球菌、インフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマなどの病原体が体内に入ることが原因となります。免疫が落ちている高齢者の場合、普段では問題にならないような病原体でも肺炎を起こすことがあります。
高齢者の肺炎における約7割は誤嚥性肺炎で、口腔内の細菌が誤って気道内に入ることで肺炎を引き起こします。
尿路感染症
(腎盂腎炎)
尿路感染は、腎臓から尿道、膀胱までの尿路に起こる感染症で、ほとんどが細菌によって起こります。細菌が膀胱に入り込み、感染している状態が膀胱炎で、細菌が腎臓まで達すると腎盂腎炎となります。腎盂腎炎を起こすと38℃以上の高熱や腰痛を伴います。尿道口から膀胱までの尿道が男性に比べて、女性の方が短いため尿路感染症は女性に多い病気です。
胆道感染症
(胆のう炎・胆管炎)
腸管内に生息する細菌(大腸菌やクレブシエラ、腸球菌など)が胆管や胆のうに入り込むことが原因です。胆道感染症は、結石や悪性腫瘍などによって発症することが多く、胆のう炎の9割は胆石によるものです。これにより肝臓で産生された胆汁の流れが滞ってしまうことで細菌感染が起こり、発熱に加えて腹痛、黄疸(胆管炎の場合)を伴います。
感染性胃腸炎 ウイルスや細菌など何らかの微生物が原因となって起こる腸の病気です。ウイルス性胃腸炎の原因としてはノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどがあり、細菌性胃腸炎の原因としてはカンピロバクターや病原性大腸菌、サルモネラなどがあります。下痢や嘔吐、腹痛を伴うことが多いです。

次のような場合は受診を

発熱によって懸念されるのが脱水症状です。特に高齢者の場合は注意が必要です。

  • 水分摂取ができていない(皮膚や唇が渇いている)
  • 尿量が低下している、尿が濃くなっている
  • 頭痛や腹痛、吐き気などを伴う
  • ふらついて歩くことができない

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※ 感染症対策のため、発熱がある場合は診察前に検査を受けて頂くことがあります。予めご了承ください。