胸の痛み
胸の痛みは直観的に心臓や肺などの病気が連想されるので不安になりますね。胸の痛みや違和感は命にかかわる病気の場合もあれば、ストレスや精神的な影響により痛みが起こっている場合もあります。
胸痛の原因
「胸の痛み」の原因は、痛む場所や痛み方によって異なります。「胸の表面で起こる痛み」は針で刺すようなチクチクした痛みが特徴で、皮膚や肋骨、胸の筋肉などに原因があることが多くあります。 「胸の奥の方で起こる痛み」は心臓や大きな血管において異常が起こっている可能性があるので、注意が必要になります。胸の痛みに加えて、圧迫感や締め付けられるような感覚がある場合は早めに病院を受診するようにしましょう。
胸痛で疑われる主な病気
| 心筋梗塞・狭心症 | 心臓に血液や酸素を送る冠動脈が詰まることによって起こる。これによって、一時的に酸素不足になる状態が「狭心症」、さらに冠動脈が閉塞して心筋が壊死してしまう状態が「心筋梗塞」という。ともに胸痛を伴うが15分以上痛みが続く場合は緊急性が高い。痛みは左肩、左肩、左腕、顎、背中、腹部などに広がり、強い圧迫感を伴う。 |
|---|---|
| 大動脈解離 | ３層（外膜・中膜・内膜）で成り立つ大動脈の内膜が裂け、中膜と外膜の間に血液が流れ込み血管壁が裂ける。予兆なく突如、引き裂かれるような激しい胸痛が起こり、背中や腰へと広がる。 |
| 胸膜炎 | 肺を覆う膜（胸膜）が細菌やウイルス、悪性腫瘍の転移などで炎症を起こしている状態。息を吸う・深呼吸を行うとピリピリした胸の痛みを感じる。 |
| 肺塞栓症（エコノミークラス症候群） | 肺の動脈に血栓が詰まることで起こる。長時間座っていたり、同じ姿勢でいることで血栓ができやすい。息を吸うときに胸に鋭い痛みがあり、息苦しさを伴う。 |
| 肋間神経痛 | 肋骨に沿っている神経を肋間神経と呼ぶが、何らかの原因によりこの肋間神経が痛む症状を「肋間神経痛」と呼ぶ。原因によって痛み方は異なり、急に電気が走るような痛みや持続的にチクチク痛むような症状が起こる。肋間神経はほとんどの場合、上半身の片側のみに起こることが多く、胸部から脇腹、背中にも痛みが出ることがある。 |
| 帯状疱疹 | 帯状疱疹ウイルスは健康な時は身体に潜んでおり、免疫力が低下すると発症する。皮膚の表面に帯状に発疹が現れるが、胸部に発症すると肋間神経痛を起こす。 |
次のような場合はすぐに受診または119番を
- 裂けるような鋭い痛み
- 圧迫感のある痛み
- 焼けつくような痛み
- 冷や汗や嘔吐、意識低下などを伴っている
- 呼吸困難や息苦しさを伴っている
診療科のご案内
胸の痛みのことでお悩みの方は内科・総合診療科までご相談ください。