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2025.05.01

NSTが支える栄養のかたち


健康は365日のつみかさね
NSTとは?NSTが支える栄養のかたち
まほろば 2025年4月号掲載


3月まで放送されていたNHK連続テレビ小説『おむすび』をご覧になられた方も多いのではないでしょうか? 主人公の米田結さんが管理栄養士として活躍し、病院の栄養サポートチーム(以下、NST)の一員として患者さんの健康を支える姿が描かれています。ドラマを通じて、「食事や栄養がどれほど大切か」を改めて考えさせられた方もいらっしゃるかもしれません。
 実は、当院にも同じようにNSTがあり、医師・管理栄養士・看護師・薬剤師・リハビリスタッフ・臨床検査技師などさまざまな職種が連携し、患者さん一人ひとりに最適な栄養面でのサポートを行っています。今回は、このNSTについて、管理栄養士に話を伺いましたのでご紹介します。


NSTとは?


NST(栄養サポートチーム)とは、患者さんが適切な栄養を摂れるようにサポートする専門チームのことです。病気やけがで食事が思うように摂れないと、体力が落ちて回復が遅れたり、新たな合併症を引き起こしたりすることがあります。NSTは、そうした問題を防ぐために、患者さん一人ひとりの状態に合わせた栄養管理を行います。


どんな人がNSTに関わるの?


医 師…患者さんの病状を把握し、治療方針を決定
管理栄養士…その人に合った食事や栄養の内容を提案
看護師…患者さんの状態や食事の様子を観察し、共有
薬剤師…栄養剤や点滴の調整、薬と食事の相性を確認
言語聴覚士…身体機能や飲み込む力を評価し、食事動作をサポート
理学療法士…体力や運動機能の面から、栄養とのバランスをサポート
臨床検査技師…血液検査や尿検査などから、栄養状態を評価


それぞれの専門性を活かしながら、患者さんの状態をサポートします。


改善事例のご紹介


NSTの介入によって、患者さんの栄養状態が改善し、回復のサポートにつながった事例をご紹介します。



※食事内容や服用薬の変更は、主治医の指示のもとに行われます。


「その方にとって最適な食事かたち」を目指して


 管理栄養士というと、「食事を制限する役割」と思われがちですが、NSTはそればかりではなく「どうすれば必要量を食べられるか」を考えることも大切な役割のひとつになります。
 栄養不足に陥る方の中には、「食べる気力がわかない」「痛みで空腹を感じない」「食べ物だと認識できない」など、さまざまな問題を抱えている場合が多いです。こうした場合、栄養士だけで解決するのは難しく、薬の副作用や身体活動量、血圧や体温などの体の基本的な状態、意識レベルなど、専門的な視点が必要になります。
 「その方にとって最適な食事のかたち」を実現するために多職種と連携しながら情報共有し、一緒に支えていくことで、より良い栄養管理につなげることができると思っています。そのためには、普段からコミュニケーションを大切にし、スムーズに情報を得られる関係づくりも意識しています。「おむすび」は、人と人の良縁を結ぶ縁起の良いもの「お結び」からきているという説があります。食を通じて、私たちも“おむすび”のように、患者さんと良いご縁を結んでいけたら嬉しいです。

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