2023.12.20
ヒートショックを予防しましょう
健康は365日のつみかさね
寒い冬は危険!ヒートショックに気をつけましょう!
まほろば 2024年1月号掲載
最近、テレビや新聞などで取り上げられることが多くなり、言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。ヒートショックが原因と思われる死者数は年間19,000人と推計され、交通事故の死者数の7倍にもなります。決して他人事ではありません。今回はヒートショックについての解説および対策方法をご紹介しますので、是非参考にしてください。
ヒートショックはなぜ起こるの?
ヒトの体には、血管が隅々まで張り巡らされており、心臓が拍動するたびに、これらの血管が収縮し、血液が全身に送り出されます。ヒトは寒さを感じると体温を逃がさないように血管を収縮(血圧上昇)させ、暑さを感じると血管を拡張(血圧低下)させます。
このように気温が変化することで血圧が上下し、その変化が急激であると心筋梗塞や脳梗塞などの血管疾患を招きます。これがヒートショックです。下の図は、入浴時の流れと血管の状態を表しています。入浴時以外にも、トイレでいきむことで血圧が上昇することもあるので、注意が必要です。
ヒートショックの危険性をチェックしましょう
- 高血圧、動脈硬化、糖尿病などの基礎疾患がある
- 65歳以上である
- 肥満、不整脈がある
- 浴室に暖房設備がない
- 10℃以上の温度差がある
- 熱めのお風呂や一番風呂が好き
- 飲酒後にお風呂に入ることがある
- 30分以上お湯に浸かっている
暖房器具がなくても対策はできる
ヒートショックを引き起こす一番の原因は温度差です。予防するためには出来るかぎり温度差を少なくすることがポイントです。
浴室と脱衣所を温めましょう
浴室に暖房設備があるご家庭や持ち運びのできる暖房器具をお持ちの場合は積極的に使用しましょう。これらがない場合でも、入浴前に熱めのお湯で浴室全体を温めると効果的です。また、風呂蓋や浴室のドアを開けておくと脱衣所も温まりますね。
お湯の温度は40℃まで
寒い冬に熱いお風呂は気持ち良いですが、42℃以上の入浴は心臓に負担をかけることになります。また41℃以上になると浴室での事故が増えるという統計があります。湯船に入る前は手足など、心臓から遠いところから温めましょう。