頭痛について

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頭痛について

頭痛を経験したことのない人はおそらくいないのではないでしょうか。しかし、一口に頭痛と言ってもいろいろな原因があります。今回は頭痛についてお話ししたいと思います。
頭痛は大きく分けて、診察してレントゲン写真などの検査をしても異常がなく、命にかかわったり、後遺症が残ったりすることのない『機能性頭痛(一次性頭痛)』と、レントゲンなどの検査で異常があり、場合によっては命にかかわったり、重大な後遺症の残る可能性がある『症候性頭痛(二次性頭痛)』に分かれます。頭痛に関して詳しくまとめていますので、ご参考にしてください。

頭痛の分類

機能性頭痛(一次性頭痛)

原因となる他の病気がなく、繰り返し起こる頭痛

痛む場所 痛みの特徴 痛む頻度
片頭痛 片側 ズキズキと脈を打つような痛み。時には寝込むほどで、吐き気を伴う。比較的若い女性に多く、遺伝性がある。 月に数回
緊張型頭痛 後頭部または頭全体 重く絞めつけられるような痛みが持続的に続く。肩や首筋の凝りを伴うことも。 毎日のように
群発頭痛 片側(目の奥) 目の奥が痛むことが多く、えぐられるような非常に激しい痛みを伴う。中年以降の男性に多い。 1~2か月間、集中して周期的に起こる

症候性頭痛(二次性頭痛)

何らかの原因がある頭痛。感染症(一般的な風邪症状)や二日酔いなども症候性頭痛に含まれる。くも膜下出血や脳卒中など脳や頭部の病気の症状として起こり、生命にかかわる場合もある。機能性頭痛(片頭痛持ちなど)がある方は、「いつもの頭痛だろう」と考えて受診が遅れる可能性があるので注意が必要。

頭痛の原因 痛みの特徴
くも膜下出血 経験したことのない様な強い痛み(金槌で殴られたような痛み)が突然起こる。ほとんどの場合は脳の血管にできたコブ(脳動脈瘤)が破れることによって起こる。現在でもくも膜下出血を発症すると半数の人が命を落とす恐ろしい病気。
脳腫瘍 頭痛の程度は強い日も弱い日もあるが、日を追うごとに徐々に痛みが強くなり、吐き気や目のかすみ、手足に力が入らないといった症状なども伴う
髄膜炎 風邪のような症状が先に出現することもある。高熱とともに、頭痛や吐き気が起こる。重篤な場合はてんかんを起こすこともある。
慢性硬膜下血腫 頭を打って暫く経った後に脳の外に血が溜まることで起こる。痛みは徐々に強くなり、手足の麻痺や記憶障害が起こることもある。痛みの程度が強くないことが多く、頭を打ったことを忘れていることが多い。頭を強く打った場合は、1か月程度は注意が必要。
三叉神経痛 顔面に数秒間の鋭い痛みが数時間から1週間にわたり断続的に続く。大部分は脳の血管が神経(三叉神経)にあたることによって起こる。冷たいものを食べて「キーン」となる頭痛は三叉神経が刺激されて起こる頭痛です。

頭痛で重要なのは的確な診断と、それにあった治療です。
治療も薬一つにしても病気の種類によって異なりますし、病気に応じた薬を使うことで機能性頭痛は上手にコントロールが可能です。症候性頭痛では命にかかわることもあり、治療も脳神経外科的な手術が必要となる場合もあります。頭痛のある人は「たかが頭痛で」と我慢したり、「市販薬で治ったから」などと思わず、是非一度病院を受診することをおすすめします。

機能性頭痛の治療

薬による治療

それぞれの病気の種類によって効く薬が違う。最近は薬も進歩してきています。したがって的確な診断がつけば、これらの頭痛は薬でコントロール可能となります。

心理学的、生理学的治療(リラクゼーション)

特に緊張型頭痛においてはリラクゼーション運動をすることで薬を減少することができる。

リラクゼーション(頭痛)体操の一例

STEP_1
アカベコ体操

STEP_2
スットン体操

STEP_3
ヒジテツ体操

STEP_4
天柱マッサージ

STEP_5
ガンエンマッサージ

その他

電気治療、温熱治療、酸素投与など

症候性頭痛を疑わなければならない時

  • 今までに経験したことがない頭痛があったとき
  • 強い頭痛が突然起こったとき
  • 頭痛の他に次のような症状があるとき
    「高熱」、「視野の異常」、「歩行の異常」、「意識障害」、「片側の手足に力が入らない、感覚が異常」、「言語障害、記憶障害」、「血圧が異常に高い」
  • 強い頭痛でいつもの鎮痛薬が効かないとき
  • 頭痛がだんだんひどくなり、日常生活に支障をきたすとき

まとめ

一口に頭痛といってもいろいろな種類があります。頭痛はほとんどの人が経験しますが、大部分の人は我慢するか、市販の薬ですましているのが現状です。中には命に関わることのある頭痛もありますし、そうでなくても様々な種類があり、病状に応じて治療も異なります。適切な診断、治療を受けることによって頭痛を上手にコントロールできます。頭痛のある人は「たかが頭痛ぐらいで」などと思わずにぜひ一度、遠慮なく専門の医者を受診することをお薦めします。入江病院脳神経外科では頭痛に関しても専門的知識、多くの診断機器を備え、的確な診断を行い、薬などの内科的治療から脳神経外科専門手術に至るまで幅広く対応しております。